こんにちは、元町セントラルクリニックの井上です。
今回も医療美顔からテーマが少し移動しますが、今回は皆様にとって、とても関心深いお話をしたいと思います。お付き合いいただければ幸いです。
どのような医師を選択すべきか?
今後、どのような医師とお付き合いすれば良いか?
皆様は色々頭を悩ませていることでしょう。
医師の私ですらこの難題に取り組んでも、明確な答えを導き出すのは非常に難しいことです。
それは医師も人間だからです。
機械なら、どこ製品の何ということで、好き嫌いも相まって選択し易いですし、まして衣服や装飾品・調度品などだったら、自分の身体ではないので、いくらでも選択し直すことは容易いからです。
しかし、医師は…といえば、皆様ご自身の生身の身体を預けるのにもかかわらず、選択し直すことも不可能なので一発勝負に出なければならないのです。そのため、本物の選択眼を持てるかが重要なのです。
ここで、私の経験から述べさせて頂きます。
かつて、私が准教授でいた某大学医局では、手術ができない教授が実在していました。これは事実です。
その教授の肩書きたるや、それはそれは立派なものですが、実際のスキルと肩書きのズレが生じるからくりは、在局期間が長ければ長いほど、また、各研究に首を突っ込めば突っ込むほど、得られる肩書が多くなるということに起因しています。
その肩書を信じて誘われた患者様が、ご自分の身体をその教授に託したいと受診しても、腕がないのをひた隠し、できないことを知られたくない一心で、もっと大きな病院(内容はともあれ)を紹介するという始末。その患者様は願いが叶わないばかりか、呆れる結果になってしまうということが何度もありました。
実際、その肩書き人間が本当に偉いかといえば、残念ながら決してそのようなものではありません。何もできない、名前だけの教授がいるのです。
教授選考委員会も、ただ論文数だけを評価する類のもので、その論文もインパクトファクター(他の論文に引用される重要因子)が何もなく、日記程度の内容でも数に計算されるという……悲しいかな、本当に白い巨塔です。
しかし、残念なことにこれは歴とした事実なのです。
大学病院の腹腔鏡下肝臓手術で何人もの方々が死に至るのも、腕のない医師が威張れる地位に上がれるという実態があるからこそで、これも真実を隠しているに他なりません。
それを、踏まえまして皆様に言いたいこと、それは、病院の名前だけとか、テレビでよく見るからとか、雑誌などあちこちに顔を出すからという内容で選択してはいけないということです。テレビや雑誌では規制があって本物を話すことはまず無理ですが、私のブログのような本物の選択肢を提供して貰うことです。
医師は、医師である前に、皆様と同じ人間です。
職人気質を見てください。テレビに出たがらない本物の職人が非常に多いのと同様、医師も職人職です。白衣を着て偉そうに見えますが、何よりも技術なのです。頭が良くても腕が伴わなければ半人前です。
当然、現今社会では難関を突破しなければならない医学部なので、医師間では偏差値からの頭の差はありません。大学の差も本当に関係ないのです。要は、医師の資質が個人技だということです。
医師というのは、その職業が故なのか、言った者勝ちになる傾向にあります。
ここで、最も技術畑の強い外科系を挙げて見たいと思います。
この治療には種々の術式があります、といっても医師が色々な術式をこじつけているだけのこと、一つの簡便な方法を技術のある医師が行えばそれで良いのです。
術後に不測の事態が起きるというのは、医師の技術が伴わない場合と、患者の生体反応が異常に働く場合と、あるいはその両方が必ず関与しています。
一つの術式しかない治療ではまだ良いのです。しかし、色々な術式を駆使しても術後の状態は同じということが多い中において、わざわざ面倒臭い術式を好む医師が技術的に優れていることには繋がりません。
むしろ面倒が故に、上手く行かないことにもなりかねず、間違いを犯す確率がグンと高くなるのです。それ比べ、簡便な方法では間違いを犯す確率が、グンと低くなるのも事実です。
私は口コミ系の相談も受けたりしていますが、余りにも情けない失敗の実例が沢山あるので驚いてしまいます。本当に医師が施術しているのかと考えてしまうほど、失敗例が後を絶ちません。
何度も言いますように治療で失敗したら現実は終わりです。やり直しはききません。衣服や装飾品・調度品とは異なるのです。
初回のブログより何度も申しますように、医師からも“選択肢”を拡げるような真の情報を発信することと、教科書には載っていない医師の職人技を提供するとことが大切です。
患者様ご自身で、これらを探す努力を惜しまないようにしていただかなければならないと思います。
もちろん、皆様も医師は医師である前に人であることを良く考えて行動して欲しいものです。
どうか皆様、努力して本物の医師を、信頼できる医師を見つけましょう。そして、偽情報には気を付けましょう。
実際、やり直しのきかない一発勝負の治療を考慮しての医師選びは、この医師と思う医師に当たれば、宝くじ以上の幸運かと考えます。
以上、漠然とした言い方で申し訳ないですが、これだけは明言できます。
自費診療の一部は、“安かろう、悪かろう”に繋がっていることがあります。
値段だけで選択する際のリスクも考慮して選びとることが必要です。
そして最後になりますが、患者様の目をしっかり見て話す医師かどうかも重要な選択ポイントです。
以上を踏まえまして、皆様は医師の人間性をよく観察してください。
会話する際に人の目を見ないで話す人が信用できないように、医師も同じことです。
医師も一人の人間ですから。
そして、何よりも今回お伝えしたいのは、この人と思う医師に巡り合えたら、ぜひ浮気をしないで、その幸運と長くとことん付き合うことをおすすめします。
今回もご精読ありがとうございました。